小説

零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係

西尾維新『零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係 (講談社ノベルス)』講談社,2010 シリーズ感想 西尾維新さんの作品感想 零崎シリーズ最終巻4つの内の1つ。この巻では玖渚直を狙う、出夢と人織プラス玉藻の三人の活劇が描かれております。策士・子荻もかわ…

蒼空時雨

綾崎隼『蒼空時雨 (メディアワークス文庫)』アスキーメディアワークス,2010 綾崎隼さんの作品感想 転がり込んできた女の子・沙矢に戸惑いつつも、一緒に暮らすことになる男の話。突然の出来事にものらりくらりな対応で、薄味の文章なので甘々な生活が描かれ…

胡蝶の失くし物―僕僕先生

仁木英之『胡蝶の失くし物―僕僕先生』新潮社,2009 シリーズ感想 仁木英之さんの作品感想 のらりくらりと歩き続ける王弁と僕僕の旅を描くシリーズ3巻目。今回は僕僕たちを狙う凄腕の殺し屋集団・胡蝶に所属する劉欣が登場します。 楽したがりな王弁が、発情…

ボクらのキセキ

静月遠火『ボクらのキセキ (メディアワークス文庫)』アスキーメディアワークス,2010 静月遠火さんの作品感想 「僕らは近づいてはいけない」と未来からの予言を電話で聞いた有亜と、未来から掛けていると悪戯電話をした久則、2人の高校生の話。しかも、久則…

ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様

柏葉空十郎『ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様 (メディアワークス文庫)』アスキーメディアワークス,2010 柏葉空十郎さんの作品感想 中学時代に全国レベルで活躍していた幼馴染の巧也と、巧也との約束を守るために女の子というハンデを乗り越え甲子…

フリーター、家を買う。

有川浩『フリーター、家を買う。』幻冬舎,2009 有川浩さんの作品感想 自宅を出ず、漫画とゲームで遊び倒しフリーター暮らしをしている誠治が、重度の鬱病にかかった母親を目にすることから始まる物語。 母親が一身に背負っていたいじめは、読んでて苦しくな…

インディゴの夜

加藤実秋『インディゴの夜 (創元推理文庫)』東京創元社,2008 加藤実秋さんの作品感想 売れないライターとしてたくましく生活する晶が、飲み屋でふとぼやいた言葉が元でできたクラブ・インディゴの面々が活躍するお話。deltazuluさんの感想を読んで手にとりま…

船に乗れ! (3)

藤谷治『船に乗れ! (3)』ジャイブ,2009 シリーズ感想 藤谷治さんの作品感想 前回の衝撃から、自身の演奏にも自信をもてなくなり悩みが頭の中をくるくるし始めるシリーズ最終巻。演奏を手っ取り早くお金を稼ぐだけの手段へする葛藤あるいはトップを目指すとい…

天地明察

冲方丁『天地明察』角川書店,2009 冲方丁さんの作品感想 江戸時代を舞台に、算術にのめり込む碁打ち・春海の物語。恵まれた生活をしつつも、いまいち満足いかない生活を送る春海が、熱中するものに、人生を懸けられるものを知ることから始まる物語。 御城碁…

wonder wonderful 下

河上朔『wonder wonderful 下 (レガロシリーズ)』イースト・プレス,2008 シリーズ作品感想 河上朔さんの作品感想 突然迷い込んだ異世界で、妹を救うためになんちゃって魔性の女になるこかげの物語シリーズ下巻。いたずらを仕掛けるときにわくわくする人って…

少女怪談

藤野千夜『少女怪談』文藝春秋,2008 藤野千夜さんの作品感想 かわいらしくも怖くもない印象を受ける奇妙なラインの短編集。 「ぺティの行方」勝手に犬を連れ去る少女・みどりの話。かわいらしいイメージとは裏腹に、ゴーイングマイウェイを貫き通しているわ…

BOX!

百田尚樹『ボックス!』太田出版,2008 百田尚樹さんの作品感想 お調子者で練習嫌いだけれど天性の運動センスを持つ鏑矢と、彼の親友ではあるものの勉強ができ何事にも真面目な優紀の2人の高校時代の話。 素人の先生の視点でも描かれるので、ボクシング用語の…

手焼き煎餅の密室

谷原秋桜子『手焼き煎餅の密室 (創元推理文庫)』東京創元社,2009 シリーズ感想 谷原秋桜子さんの作品感想 父親の行方を追うための旅費を稼ぐために、胡散臭いアルバイトに励むシリーズですが、今回は過去を舞台になっている上に連作短編の構成になっている初…

ガーデン・ロスト

紅玉いづき『ガーデン・ロスト (メディアワークス文庫)』アスキーメディアワークス,2010 紅玉いづきさんの作品感想 なんとなく4人でいることが当たり前になっている、放送部所属の女子高生エカとマル、オズとシバ。 他の3人の癖が強い中、エカは冷静に傍観…

空の彼方

菱田愛日『空の彼方 (メディアワークス文庫)』アスキーメディアワークス,2010 菱田愛日さんの作品感想 貴族社会を抜け出して傭兵家業を始めたばかりの新米のアルと、目立たない路地に存在する不思議な防具屋の女主人・ソラの交流を描いた物語。 ソラから妙な…

黒方の鬼

渡瀬草一郎『陰陽ノ京 月風譚 黒方の鬼 (メディアワークス文庫)』アスキー・メディアワークス,2009 シリーズ感想 渡瀬草一郎さんの作品感想 陰陽寮で日々の暦を作る仕事に携わる光榮と怪の物語。自由奔放な光榮と冷静沈着でポーカーフェイスな兼良、馬が合わ…

カスタム・チャイルド 罪と罰

壁井ユカコ『カスタム・チャイルド ―罪と罰― (メディアワークス文庫)』アスキー・メディアワークス,2009 シリーズ感想 壁井ユカコさんの作品感想 一文が長くて嚥下するのに時間がかかる文章を一目見た瞬間、壁井さんだな〜と思ってしまうこの身はどうなんで…

すべての愛がゆるされる島

杉井光『すべての愛がゆるされる島 (メディアワークス文庫)』アスキー・メディアワークス,2009 杉井光さんの作品感想 どんなカップルでも結婚を祝福される……ただし2人が本当に愛し合っている限り……そんな不思議な島を巡る物語。父と娘だけでなく、しこりを…

龍盤七朝 ケルベロス 壱

古橋秀之『龍盤七朝 ケルベロス 壱 (メディアワークス文庫 ふ 1-1)』アスキー・メディアワークス,2009 シリーズ感想 古橋秀之さんの作品感想 かつて4人の前で大法螺を吹いた廉把の生き様を描いた物語。遠距離から敵を狙い、打ち砕く力をこめた金票を駆使し…

太陽のあくび

有間カオル『太陽のあくび (メディアワークス文庫)』アスキー・メディアワークス,2009 有間カオルさんの作品感想 苦労の末に育てたみかんを売り込もうと意気込む、村の少年団の活躍を描いた作品。起死回生の商品であるレモミカンで、テレビ出演するドタバタ…

探偵・花咲太郎は閃かない

入間人間『探偵・花咲太郎は閃かない (メディアワークス文庫)』アスキー・メディアワークス,2009 入間人間さんの作品感想 ペット探しを仕事にしている探偵であり、それ以上にロリコンである太郎。そんな彼が出会う凶悪事件の数々が描かれています。全体的な…

追想五断章

米澤穂信『追想五断章』集英社,2009 米澤穂信さんの作品感想 大学を休学中で、古本屋を営む伯父の家で居候をしている芳光に、ある作家の小説を探して欲しいという依頼が舞い込んできます。依頼される作品は、結末の抜けたリドルストーリーです。 一連のスト…

 [映]アムリタ

野崎まど『[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)』アスキー・メディアワークス,2009 野崎まどさんの作品感想 映画の撮影に参加することになる芸大生・二見のお話。作成した絵コンテを見ただけで56時間も意識がなくなるほど、人間という枠を超えた才…

シアター!

有川浩『シアター! (メディアワークス文庫)』アスキー・メディアワークス,2009 有川浩さんの作品感想 弟の巧が立ち上げた劇団「シアターフラッグ」に債権者として兄の司が関わってくる物語。プロの声優である千歳の加入と、貸した300万を2年間で返せなけ…

初恋ソムリエ

初野晴『初恋ソムリエ』角川書店,2009 シリーズ感想 初野晴さんの作品感想 部室への侵入者を追う「スプリングラフィ」は、新入部員を集めるために暴走する文化部の面々が最高。十分にしょうもなくて面白いです。 チカちゃんは新歓での超キュートな叫びだけで…

オケ老人!

荒木源『オケ老人!』小学館,2008 荒木源さんの作品感想 バイオリンを弾かなくなってずいぶん経つ数学教師・中島が、梅が岡フィルハーモニーの演奏を聞き楽団への参加を申し込んだら、勘違いで老人ばかりの梅が岡交響楽団に参加することになってしまう話。 間…

道具屋殺人事件──神田紅梅亭寄席物帳

愛川晶『道具屋殺人事件──神田紅梅亭寄席物帳 [ミステリー・リーグ]』原書房,2007 愛川晶さんの作品感想 将来有望な落語家・福の助の妻である亮子が巻き込まれる、落語の世界を舞台にしたミステリ。architectさんの感想を読んで手にとりました。 師匠に身分…

テンペスト 下 花風の巻

池上永一『テンペスト 下 花風の巻』角川グループパブリッシング,2008 シリーズ感想 池上永一さんの作品感想 琉球を舞台に、性別を偽り寧温として政治の世界で活躍する、真鶴の物語。流刑にされた身だというのに、華がある人は隠していてもその才気や色気が…

デセプション・ポイント〈下〉

ダン・ブラウン『デセプション・ポイント〈下〉 (角川文庫)』角川書店,2006 シリーズ感想 ダン・ブラウンさんの作品感想 NASAが発見した地球外生命体の存在を、大統領選の行方と絡めて描くシリーズ下巻。皆が注目する中、大統領の演説と共に幕が明けます。 …

鷺と雪

北村薫『鷺と雪』文藝春秋,2009 シリーズ感想 北村薫さんの作品感想 白秋の全集の登場があまりに自然過ぎて、このときたった数ページで物語に引き込まれていたことに気づきました。シリーズ完結編。 茶目っ気のある英子とお兄さんの会話が面白い。ギャグがな…