空の彼方

菱田愛日『空の彼方 (メディアワークス文庫)』アスキーメディアワークス,2010
菱田愛日さんの作品感想

貴族社会を抜け出して傭兵家業を始めたばかりの新米のアルと、目立たない路地に存在する不思議な防具屋の女主人・ソラの交流を描いた物語。
ソラから妙な形で薦められた道具を手にアルが仕事へ出かけ、そこで起こった出来事をソラに語って聞かせるという形式で進んでいきます。
アルだけでなく、ソラと関わる人物たちの事情や思惑が間に挟まっており、それらが収束してソラの物語へと繋がっていく、温かくて丁寧な構成が私は好きです。
派手さはないですし、大仕掛けがあるわけでもありません。それでも、綺麗なものを眺めているとなんだか落ち着きます。

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