ガーデン・ロスト
紅玉いづき『ガーデン・ロスト (メディアワークス文庫)』アスキーメディアワークス,2010
紅玉いづきさんの作品感想
なんとなく4人でいることが当たり前になっている、放送部所属の女子高生エカとマル、オズとシバ。
他の3人の癖が強い中、エカは冷静に傍観者タイプを決め込むのかなと思っていたら、文通の話があっていい感じに裏切られました。一度レッテルを貼ってしまった相手が予想外の行動とると、なお一層心に響きますね。
マルの話はある意味予想通りだけど、こうもふわふわ動いてると近寄りがたいです。てか正直、ここまでの思考回路だと気味悪いですよ。
気持ち悪いと思ったら、それを見て見ぬふりをすること。それは私もするのですが、その対象が自分にも及んでいることが、彼女たちと私の違いかなと思いました。自分のことを見過ごすには、周囲の視線を気にしすぎるので。
時が経ってから思い返すと大きな問題ではないと捉えことができるものでも、その瞬間は頭から離れないものってありますよね。良い悪いはともかく、そういうものは実際に存在します。そんな時間・場所・関係の物語。
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