ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様

ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様  Amazon
燃える6コミカル4
柏葉空十郎『ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様 (メディアワークス文庫)アスキーメディアワークス,2010
柏葉空十郎さんの作品感想


中学時代に全国レベルで活躍していた幼馴染の巧也と、巧也との約束を守るために女の子というハンデを乗り越え甲子園を目指す綾音の物語。なんていうか、惚れざるを得ないタイトルですね。
巧也と同じ高校に入学し野球部に入部するものの、巧也はいないしコーチは素人だし、そもそも部員が足らないしで前途多難。
初心者ばかりということで、硬式と軟式の環境の違いなど、野球をとりまく環境などの説明などもわりとあります。この辺りの豆知識は地の文でも会話の中でも飛び出します。親切設計です。


それにしても、コーチのめんどくささが半端ないです。ありゃ嫌な性格と評されても仕方ないですよ。……まあ、自分の欲望だけであそこまでぶっ飛んだプレゼントが出来るのだから何も言えないけど。
前半は説明が多いですし、巧也がまだるっこしい性格なのでなかなか燃え上がりません。泣いてる女の子をほっといたりしたらダメですよ。
ただ試合が開始される後半はやっぱり楽しいですね。誰もが完璧ではないものの、それぞれの特徴を生かしてゲームを展開していくのは熱いです。終盤の展開は笑いあり燃えありで楽しませてくれました。


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