手焼き煎餅の密室

手焼き煎餅の密室  Amazon
ミステリ7コミカル3
谷原秋桜子手焼き煎餅の密室 (創元推理文庫)東京創元社,2009
シリーズ感想
谷原秋桜子さんの作品感想
父親の行方を追うための旅費を稼ぐために、胡散臭いアルバイトに励むシリーズですが、今回は過去を舞台になっている上に連作短編の構成になっている初めて尽くしの4巻目。表紙に出ていた布っぽい何かも消えました。
体育館に出没する幽霊の謎やお煎餅を盗みに入った子供たちの謎などが提示されます。物理トリックは比較的抑え目で、一つ一つは小粒ですが私にはよい感じ。1巻に収録されていた競歩話とか好きなのです。
その中でも、回転寿司で見かけた変な食べ方をするお客さんから始まる話は、良くぞ謎を見つけ出した的な印象もあり一番面白かったです。
過去篇とはいえ、いつもながらなキャラクターたちが安心感をもたらしてくれます。合間に挟み込まれる淡い絵柄のイラストと相まって、安心して読めるのも魅力でしょうね。ただ最後は悶えましたよ。グッジョブです。