2004-12-25 の検索結果:

杉井光『神様のメモ帳 (電撃文庫)』メディアワークス,2007 杉井さんが描くニート探偵・アリスが活躍する新シリーズ。アリスはドクターペッパーを原料に稼動しています。 カラーイラストのアリスちゃんは程よいエロさ。見た感じ色気はないんだけど、チラチラする部分に目がいってしまいます。なにかこう訴えかけてくるものがありますね? 主人公のナルミは、このニート探偵を名乗るアリスを初めニートな方々に、ニートの素質を見込まれていきます。 登場人物のニート率が異常に高いですが、このニートさん…

浅井ラボ『まどろむように君と―されど罪人は竜と踊る〈7〉 (角川スニーカー文庫)』角川書店,2005 ガユスとギギナのコンビがくそったれな仕事をこなしていくシリーズ7巻目。書き下ろし二編を含む五編が収録されています。 「黄金と泥の辺」咒式士コンビにデュピュイという男が駆け込みで依頼をしてきます。お金の偉大さを思い知らされる一編。侍であるキクチが追ってとして登場しますが、こいつが飄々としていて楽しい。でも、終盤の二転三転には気がめいる。「しあわせの後ろ姿」久しぶりに会ったガユス…

佐藤友哉『子供たち怒る怒る怒る』新潮社,2005 書き下ろしを含む六編の短編を収録した佐藤さんの短編集。 「大洪水の小さな家」「ぼく」と弟と妹の三人がいれば完成されており、他になにもいらないと考えている兄弟が突如洪水に巻き込まれる話。行き着く先はこれしかないかな〜って感じ。「死体と、」幼くして死んでしまった少女の遺体を巡るお話。圧倒的な文章で一度も改行せずに、しかしその勢いとは裏腹に淡々とした印象を受けます。そういう意図もないだろうに、序盤で何となく涙が出そうになった私は涙腺…

貴子潤一郎『煉獄のエスクード RAINY DAY & DAY (富士見ファンタジア文庫)』富士見書房,2005 ファンタジア長編小説大賞・大賞受賞者である貴子さんの新シリーズ一巻目。神父に育てられ普通の学校生活をしていた高校生の薫が、ローマ教皇が来日したのをきっかけに非日常の世界に足を踏み入れていく話。最初のプロローグを見ただけでドキドキしてしまうのは、期待補正がかかりすぎだろうか。 薫はレディ・キィと呼ばれる少女を守ってくれないかと頼まれます。もちろん、薫にとって裏の世界に…

浅井ラボ『追憶の欠片―されど罪人は竜と踊る〈6〉 (角川スニーカー文庫)』角川書店,2004 ガユスとギギナのコンビが迷走するシリーズ六巻目。雑誌連載されていた短編をまとめたもので、四・五巻と時間が多少前後しています。五話収録されています。 「朱の誓約」結婚詐欺師を追っていたコンビに、ベテランの咒式士であるバア様が絡んできます。なんでこうも出口のない話をかけるのかな。「ヒマつぶしに、次に生まれてくる時の資産運用予定を立てていると、途中で破産した。」などという軽口文章やら熱い戦…

竹宮ゆここ『わたしたちの田中くん〈3)』メディアクークス,2008 サンタさんの格好をした松沢さんと高校ニ年生の田中はぶつかります。ツンドラのきぐるみを着た想馬さんもいますが。その出会い頭の事故で記憶を失ってしまった松沢さんが、サンタ試験に合格するため田中の三つの願いをかなえようと奮闘する話。 ちょっとボヤヤンしてる感じの松沢さんは、一個目の願いのために田中と一緒に住むことになります。もっとも、出来上がったものがエロくないのにモザイクがかかるほど料理がヘタッピで、二人の生活は…

鈴木次郎『壮太君のアキハバラ奮闘記(4) (Gファンタジーコミックス)』スクウェア・エニックス,2005 オタッキーな壮太の生活を描いた漫画の四巻目。珍しく話が続いていて、大学受験をテーマに進んでいきます。この漫画はどこまでもコミカルなはずだったけど、今回初めてちょっとひいた。間違ってNHKに来ちゃったかと思った。一瞬のことではあるけれど、楽しい雰囲気って一回壊されちゃうと不安がいつまでも付きまとってしまうんですよ〜。 今までは多少いいところあった壮太も、まるでダメ男くんにな…

浅井ラボ『そして、楽園はあまりに永く―されど罪人は竜と踊る〈5〉 (角川スニーカー文庫)』角川書店,2004 著者検索・類似検索 ガユスとギギナのコンビが活躍するシリーズ五巻目にして、前巻の続き。アナピヤの出生を巡る旅も順調で、ガユスとギギナのやりとり以外にも、アナピヤをからかってるところとか読んでてほほえましい。前巻の旅の途中で拾ったニルギンもいい味出し始めます。 しかしそんな楽しい雰囲気も本当に序盤まで。旅の目的地であるメトレーヤに着くわけですが、着いたとたんから描写がグ…

浅井ラボ『TOY JOY POP (HJ文庫)』ホビージャパン,2006 著者検索・類似検索 HJ文庫は初めてです。酒店でバイトする奈緒美が、奇行で有名な脚本家・福沢が主催する<フクサークル>なるものに巻き込まれるところから、物語は始まります。このサークルはただ駄弁るだけが目的で、この小説自体もそんな側面を持ているような。そんなわけで万人受けする話ではないです。 ひたすらに福沢がボケて、他の女四人が突っ込みという進行。ギャグの切れ味はされ竜の如くよし。奈緒美の視点でずっとそん…

エリック・マコーマック『隠し部屋を査察して (創元推理文庫)』東京創元社,2006 類似検索 短い二十個の話が収められている本。ショートショートみたいなものかと思っていましたが、特にオチのないものが多かったです。グロテスクで残酷な描写も多々あるのですが、鬱な気分にはなりません。一歩離れた立場から眺めているからでしょうか。共感するタイプの本ではないと思いました。冷静に歪みを観察する雰囲気に近いかな〜。 最初の物語であり表題作「隠し部屋を査察して」からしてその傾向は顕著。不思議な…

上月雨音『SHINO ―シノ― 黒き魂の少女 (富士見ミステリー文庫)』富士見書房,2006 類似検索 大学生の「僕」と小学五年生の志乃ちゃんのお話。ちなみに二人は同じアパートに住んでいるといっても過言ではありません。許せないですな。志乃ちゃんによる問答、「生きるということは?」「死ぬということは?」みたいな部分が多め。ラブ要素はあまりなく、萌えって雰囲気にもなかなかならない。S&Mシリーズの萌絵ちゃんみたく、巻を追うごとに人間っぽくなるのかな〜。でも、志乃ちゃんが猟奇殺人を…

歌野晶午『女王様と私』角川書店,2005 類似検索 歌野さんの二冊目に何を読もうかなと考えて、ミステリの四冠を達成した『葉桜の季節』にしようと思ったのですが、魅惑的なタイトルと表紙に惹かれて本書を読んでみることに。最初は舞城王太郎さんのような物語なのかと思ってました。まあ、舞城さんのミステリ小説は読んでないのですが。 主人公の数馬はおたくな人。これは無視しといて、妹の絵夢ちゃんがかわいい。ブランド名を一気に並べ立てる辺りではすでに引き込まれていました。この辺のジャブでクラクラ…

乙一, 恩田陸, 北村薫, 誉田哲也, 西澤保彦, 桜坂洋, 岩井志麻子『七つの黒い夢 (新潮文庫)』新潮社,2006 類似検索 乙一さんの「この子の絵は未完成」は本編とは違うところでちょいと驚きました。本のタイトルが黒い夢だし、出だしは黒い雰囲気を纏っていたので、もっと鬱っぽい話かと思っていましたが白いほうの乙一さんでしたよ。いや、白というかファウスト系乙一さんか。息子が異常な能力(臭いのする絵を描くなど)を持ってしまう母親の話です。 恩田陸さんの「赤い毬」は、ノスタルジッ…

中野順一『クロス・ゲーム』文藝春秋,2004 類似検索 中野さんの作品は初読み。中野さんはサントリーミステリー大賞出身のかたのようです。本作品は現実世界の事件をオンラインゲームの世界をクロスさせて描かれています。 また、人物もクロスしています。主人公は二人いて、オンラインゲームにはまっている彼女と遠距離恋愛をしている航太。もうひとりは、ヤミ金を営む男と付き合っている沙也加。航太のほうは、謎の男に襲われたり家が火事にあったり彼女が失踪したり……と、奇妙な出来事が次々に起こります…