■
歌野さんの二冊目に何を読もうかなと考えて、ミステリの四冠を達成した『葉桜の季節』にしようと思ったのですが、魅惑的なタイトルと表紙に惹かれて本書を読んでみることに。最初は舞城王太郎さんのような物語なのかと思ってました。まあ、舞城さんのミステリ小説は読んでないのですが。
主人公の数馬はおたくな人。これは無視しといて、妹の絵夢ちゃんがかわいい。ブランド名を一気に並べ立てる辺りではすでに引き込まれていました。この辺のジャブでクラクラきているところに、女王様がさっそうと登場。しびれます。別に私自身がＭなわけじゃない（はず）ですが、彼女の毒舌や足蹴にした態度が魅力的過ぎるんです。段々と陶酔してくるんですよね。
薬による急激なトリップじゃなくて、調教によるトリップ。おかしいな、言葉でいじめられてきたくなっちゃったよ(ノ-o-)ノ 序盤の連続パンチで頭がハイになってるのかも。「そう、「また」会えるのだ。」の時点では既にやられていました。
そして突然のミステリ。……って、この感想おかしいですね。最初はミステリだと思って読んでたはずが、いつの間にか蚊帳の外に行ってたような。絵夢との推理ゲーム、窮地に陥る数馬、そして一発逆転の切り札。う〜ん、帯に書いてある問題作って言葉の意味が分かりました。カバー裏（って言うのかな？）の文章も面白いのですよー。
この小説が好きな人にお勧めする③
①歌野さんの『放浪探偵と七つの殺人』問題編と解決編が別々にされています。→感想
②西尾維新さんの『きみとぼくの壊れた世界』ぜひ妹の魅力に触れてください。→感想
③樋口直哉さんの『さよならアメリカ』文体は違いますが、ある種引きこもり。→感想
