ガユスくん悩みまくりですバトルxダーク


浅井ラボ追憶の欠片―されど罪人は竜と踊る〈6〉 (角川スニーカー文庫)角川書店,2004


ガユスとギギナのコンビが迷走するシリーズ六巻目。雑誌連載されていた短編をまとめたもので、四・五巻と時間が多少前後しています。五話収録されています。
朱の誓約」結婚詐欺師を追っていたコンビに、ベテランの咒式士であるバア様が絡んできます。なんでこうも出口のない話をかけるのかな。「ヒマつぶしに、次に生まれてくる時の資産運用予定を立てていると、途中で破産した。」などという軽口文章やら熱い戦闘描写でバランスが取れてるからいいですが。「覇者に捧ぐ禍唄」旅の途中で男を轢いてしまい、案の定事件に巻き込まれます。竜が出てきますが、読んでると人間の弱さばかりに目がいってイヤになってきます。
演算されし想い」擬人を探して欲しいという依頼から始まる話。テーマは直球そのままで、擬人は人となり得るのかみたいな。『異国語の問題』とか大学でかじったことのある話題だったので引き込まれました。「打ち捨てられた御手」内臓を摘出する猟奇殺人事件に否応なしにコンビが関わっていく話。こんな事件にばかり関わっていたらガユスくんの性格がひねくれちゃうのも仕方ないですよ、ほんと。知らなければいい真実ってあるものです。
蒼嵐」ラルゴンキン事務所の話でこれは書下ろしの作品です。ラルゴンキンと参謀のヤークトーとの過去の話もあるし、イーギーと彼に想いを寄せる若手のリャノンなどにスポットが当たっています。化学用語が飛び交う戦闘シーンは燃えてきますね〜。まあ、狙い済ましていようがなんだろうが、ジャベイラ姉さんが一番だと思います。魔法少女最高!
今回はいつも以上に、ガユスくんがいらんことに頭を使っていた気がします。二話目の竜との対話や三話目の依頼人であるレイリエとの対話、四話目の被害者の共通点を探していくうちに行き当たったムルノーとの対話など、会話の応酬が多かったせいもあるんかな。全体的にまとまっていて面白かったです。
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