察知力

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中村俊介察知力 (幻冬舎新書)幻冬舎,2008
中村俊介さんの作品感想
スコットランドリーグでMVPも獲得したサッカー選手・中村俊介さんの話。
MVPを獲得してなお、先のことを考えた練習をしなければいけないと語っています。察知力というタイトルがついているけれども、一番ぴったりくるのは危機感、さらには飢餓感じゃないかなと。満足をしたらそこで成長は止まってしまうという話。
必死で壁を探し、探し当てる能力が察知力だろうけど、探し出そうとする原動力である飢餓感が中村さんの中で重要視されているように思いました。「常に追われているくらいが、僕にとってはちょうどいい」なんて言葉もありましたし。


壁が見つかったら、課題を発見したと喜ぶべきとも。モチベーションの維持ですね。課題を克服すれば引き出しが増えたことになるわけで。課題がなければ、人間成長しませんよね。
原因を察知し、必要なものごとを察知。そして準備期間を経ることによって、臨機応変に対応。この繰り返しが自分の引き出しを増やし、成長させる一番のポイントです。
空気を察知して周りの環境に合わせることが出来ること、未来を察知して準備すること、これらの重要性が何度も書かれています。その理由はやはり、様々な経験を積むことが使える引き出しを増やすことにつながるため。
特に、新しい環境下では自分を出す前に、周囲を観察することが薦められています。海外でのサッカー生活がその拠り所でしょう。「新しい環境に馴染む努力をしないのなら、環境を変えた意味がない」「自分を知ってもらうためには、相手を知ることが大事だ」などなど。
サッカー感などが全然違うリーグを渡り歩いた際に、どう自分の能力を見せていくのかで苦労されたようです。「監督に迎合することと、監督の要求を理解することは違う」の言葉が印象的でした。


日本ではどちらかいうと専門的な人が重宝されている気もしますが、中村さんは平均的に出来ることを目標にしているそうです。
ポジションで悩んでいた中村さんへの監督からの言葉「ベンチで試合を見ていても得るものは何もない。どんなポジションであっても、先発の11人に選ばれて、グラウンドに立つべきだ」が記憶に残っているとのこと。
幅広くやっていくためにも、毎日の練習で感じたこと考えたことをまとめた、サッカーノートを作ってるそうです。自分を客観的に見る作業って、言葉だけ捉えると難しそうだけど、やってみれば案外いけるものなのかも。継続しなきゃ意味ないでしょうが。


継続するためにも、小さな目標をクリアしていき、大きな課題を超えるためのプロセスを考えていくべきでしょう。モチベーションを保つためにも、客観的な記録は役に立つとか。
様々なシュチュエーションをイメージし、必要なことを選択して練習。私の性格に合ってるかも。まあ、ここまでストイックにはなれないダラケさんですけどね。
いかに無駄のない動きをするか……という視点でプランニング」も共感できるけど、サッカーだけでなく、混雑時の食事は予約をとるとか徹底されてますから。……むぅ、少しずつ少しずつ真似していきたい。


まず私は、読書感想文で実践していきたいな〜。どんな本でも楽しめるように、好みのジャンル帯が円になるようになりたいものです。本を貪欲に楽しみたいと思うのが第一歩かな。作者の意図を察知して読み解いていくのも面白そうだ。