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石田衣良, 中村航, 本多孝好, 真伏修三, 中田永一, 山本幸久『LOVE or LIKE』祥伝社，2006

恋愛アンソロジー。六人の男性作家による作品が収録されています。後半の二人は姉妹シリーズ（？）の『I love you』（→感想）には書いてなかったので初読み。
石田さんの「リアルラブ？」互いに想う相手がいて共同戦線を張る友人同士なのにＨはしてしまう二人の話。相変わらず都市っぽい感じでしたね。普通なのに独特な雰囲気ですよね〜。
中田さんの「なみうちぎわ」気を失っている間にいつの間にか五年経っていた話。登校拒否の少年とその植物状態になっていた女のやりとりがメイン。全体的な印象もそうですが、雷の話など神秘的でよかった。
中村さんの「ハミングライフ」野良猫を見つけそこの木の中から手紙を発見するところから、見知らぬ誰かと交信を始める話。手紙のやりとりがほほえましい。後半はとくに。ところどころに中村さんなどが描いたイラストもついています。
本多さんの「ＤＥＡＲ」少年三人組と美少女転校生の話。約束を果たすために、八年後に集まるけどあの子は……な展開。子供心にスポットがあたっていて、何となくですが心が洗われます。
真伏さんの「わかれ道」同じくこちらも美少女転校生がやってくる話。あまりにもへたれな主人公が記憶に残ります。まあ、最後にガツンとくる余韻を味わいましょう。
山本さんの「ネコ・ノ・デコ」輸入雑貨店を経営する女が主人公。眼鏡男子やら高校時代のクラスメイトがやってきて、話は転がり始めます。この中ではあまり恋愛っぽくなかったけど、面白かったですよ。