魔法鍵師 カルナの冒険②

魔法鍵師 カルナの冒険②  Amazon
燃える⑥コミカル③恋愛①
月見草平魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険〈2〉銀髪の少年鍵師 (MF文庫J)メディアファクトリー,2005


物理的だったり魔法的だったり、様々な鍵を解く魔法鍵師の師弟・ミラとカルナが活躍するシリーズ二巻目。前巻の活躍で少しは自信をつけたカルナが、賢者の学院という場所で魔法鍵師の試験を受けることになります。空中に浮かんでいるときにスカートの裾を押さえるカルナがラブリーです。


これまでは師匠のミラについて回っていたカルナですが、この試験会場で会った同い年のアネルカという少女と仲良くなっていくところもありますよ。師弟との生活だけでは分からなかった、カルナの異なった一面も見えてきますね。久しぶりにできた友人がいいやつでよかったよかった。
試験会場ではアネルカの他にも、魔法鍵師の才能がある銀髪の少年スターリングとも出会います。どれだけアプローチをかけても無関心なスターリングに、あの手この手で接近を試みる少女を眺めてるのも楽しいな。
もちろん、それに対するスターリングの対応も含めてです。つかみ所がない少年やなー。謎を多く持っていそうな雰囲気はあるんだけど、危機を救ってくれたりと微妙にいいやつな部分もあります。少年らしいところは微笑ましくもあるんですけどね。
こんな面子と共に、カルナは筆記試験・実技試験、そして総合力テストに挑みます。カルナのかっこいい場面が多数ありましたよ。魔法鍵師としての技術はもちろん、切れ者な一面も見せてくれたりも。試験での三人の奮闘もわくわくです。


試験の話と平行して、ミラの恩師であるカルマン先生との再開など、ミラとエクセラの話も微妙も進んでおります。
なんとなく、勧善懲悪な雰囲気は少しずつ消えつつあるような。互いの信念のぶつかり合いになってきている感じです。そのほうが私としてはお好みの展開でもありますし、ますますこのシリーズが好きになりましたよ。
最後の鍵開けに絡んだ話は考えさせられますね。さらに、ロックスミス・カルナへのお願いとか、キュンときます。なんだかんだ言って、師弟の関係が一番素敵です。


月見草平さんの作品感想