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月見草平『魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険 (MF文庫J)』メディアファクトリー，2005

第１回ＭＦ文庫Ｊライトノベル新人賞・審査員特別賞受賞作。魔法鍵師見習いのカルナが凄腕の鍵師である師匠のミラと共に、鍵開けの仕事をこなしていく話。「第一章　初めてのお仕事」では、カルナの初仕事として遺産相続に関する錠開けに初挑戦し、「第二章　祠堂の聖剣」では、ミラの友人であり宮廷魔術師のブレイトンに呼ばれて仕事をします。「第三章　胸騒ぎのお留守番」での、一人きりでお店を切り盛りすることになったカルナの奮闘記を経て、「第四章　暁の魔法鍵師」での大騒動に発展していきます。
初仕事の遺産相続に関するオチは、以前自分でも書いたことあったので懐かしくなりました。また、お留守番は最初からうまくいくことはなく悪戦苦闘しますが、徐々に自信をつけていくカルナちゃんがいい感じ。一つ一つの話はわりと分かれているように見えて、ミラの過去や歴史の真相を絡めながら、有名な鍵師ランキンを軸にした大きな物語へと繋がっていきます。
『桜乃きらほの魔法医カルテ』のときでも思ったけれど、独自の世界観を作り上げるのがうまいな〜。物理的なものだったり魔法的なものだったり、色んな種類の鍵を見ることができ、そして解き方も様々で面白い。カルナにかわいい服を無理やり着せるなどの三大悪癖がどうとか言うものの、信頼しあってる師弟の会話が楽しかったな。二人の会話の応酬が一番の魅力でした。
同著者・類似バッチ

この小説が好きな人にお勧めする③
①月見草平さんの小説『桜乃きらほの魔法医カルテ』魔法医の話。→感想
②風見周さんの小説『ラッシュ・くらっしゅ・トレスパス!』シリーズ。侵入屋の話。
③大楽絢太さんの小説『七人の武器屋 レジェンド・オブ・ビギナーズ!』武器屋の話。→感想