流星の絆

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ミステリ4燃える3癒し3
東野圭吾流星の絆講談社,2008
東野圭吾さんの作品感想


兄の功一と弟の泰輔、妹の静奈が家を抜け出して流星群を見に行った夜、そして両親が殺されていた夜から始まる物語。ドラマにもなるそうです。
証拠もほとんどなく、犯人はなかなかつかまらないわけで。三人は詐欺でお金を稼ぎつつ日々を送っていましたが、その最中にひょんなことから犯人と思しき人物に出会います。


序盤の詐欺でお金を稼ぐ部分も読んでて面白かったです。頭脳派の功一に、演技力のある泰輔に、美貌を持った静奈とキャラクターが揃っていて、スパイ大作戦じゃないけど燃えました。憎めないですね。
もちろんそれ以上にわくわくするのは、犯人を追い詰めようとし始めてからです。色々と調べたり揺さぶりをかけてみたり、あるいは奥の手を駆使して犯人に迫ります。昔騙した男に感づかれそうになる部分など、計画が破綻しないかドキドキさせられてしまいますね。
帯にもあるけれども、妹の恋心が大誤算。ターゲットに思わず本名を名乗ってしまったところは、もう言葉が出ない。言葉に出来ないから思わず、本を読みながらベットをごろごろしてしまいましたよ。


最初は雨がしとしと降っていて、なかなか流星の姿は見えてきません。でも伏線がきちんと張られていて、流星が綺麗に見える環境は整っています。一瞬で消えてしまう流星を見逃さないよう、一夜で読んでしまうことをおすすめします。ぜひぜひ、絆という名の輝きをこの物語の中で見つけてください。


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