使命と魂のリミット

使命と魂のリミット  Amazon
シリアス5ミステリ3燃える2
東野圭吾使命と魂のリミット』新潮社,2006


ある理由を持って心臓外科医を目指す研修医・夕紀の物語です。父の死に疑問を持っており、その真相に迫ろうとするのが基本的な筋なのですが、看護士の望に近づく穣治の怪しい行動や過去の出来事から捜査の一線をはずされている七尾という刑事などを巻き込んで混沌としていきます。
そして極めつけとして病院に脅迫状が届くのですが、わざわざリスキーな手段を使って脅迫状を届けるなど謎の多い展開。見えてこない犯人の目的が気になりましたね〜。


徐々に全貌が見えてきたときには、どうなるんだろう、どうやって切り抜けるんだろうというドキドキが強くなりました。犯人の気持ちも分からなくはないけども、踏みとどまって欲しいと何度か思いましたね。
それぞれが使命をまっとうしようとする姿は、真っ直ぐ心に届きましたよ。医学の詳しい内容は分からないけれども、必死で命を救おうとする姿勢はすごかったです。
これが2006年の刊行で、2004年の年末から連載されていた作品だと思うと東野さんの嗅覚には驚かされるばかり。素敵な時間が過ごせました。


東野圭吾さんの作品感想


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