武士道シックスティーン

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燃える7癒し3
誉田哲也武士道シックスティーン文芸春秋,2007


seiitiさんの感想を読んで手にとりました。華の女子高生なのに剣道一筋で、兵法がうんたらとか口にするストイックな少女・磯山と日舞から剣道へと道を変えたばかりでのんびりした少女・早苗。そんな二人の剣道をテーマにした物語。
剣道に対する姿勢も、押して押して押しまくるスタイルの磯山と長く構えることを目標としている早苗、随分違います。性格の違いから、案の定突っかかっていったりもするんだけど、その切磋琢磨というかぶつかり合いもまた楽しいです。
磯山が真面目すぎてちょっと引く部分があったわけだけれども、般若だとかバカボンドの話題などかわいらし部分もあってええ感じやな〜。


私は剣道なんて中学時代に体育でやったくらいの経験しかないし、試合を見たこともほとんどないんだけど、思っていた以上に激しいんですね。体当たりとか普通にかましているし。新鮮でした。
中盤以降、二人はそれぞれ壁にぶつかるんですが、二人を支える環境もまた素敵だな〜。勝ち負けが嫌いな早苗が、不安を乗り越える必勝法を教えてもらうシーンは大好きです。家族っていいな。


素敵に熱い青春小説でしたよ。面白かったので誉田さんの他の作品も読んでみたいけれども、奥付に「著者初の人が一人も死なない青春エンターテイメント」とあってビビリ中。
あと、紙のしおりを何枚も使う派だから気づかなかったんだけど、本についてる紐のしおりが紅白で二本もあったのでした。芸が細かいですよね〜。


誉田哲也さんの作品感想


この小説が好きな人にお勧めする3
1、『七つの黒い夢』誉田さんの作品も収録されているホラーちっくなアンソロジー。→感想
2、川島誠さんの小説『800』二人の陸上選手の物語。
3、あさのあつこさんの小説「バッテリー シリーズ」孤高のエースの物語。→シリーズ感想
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