スロウハイツの神様㊤

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シリアス⑥癒し④
辻村深月スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)講談社,2007


自身の小説で殺人事件が起きてしまった小説家チヨダ・コーキを始めとして、人気脚本家、敏腕編集者などクリエイターやその卵が一つ屋根の下で共同生活をする物語。
現在の話や過去の話が様々な視点で語られていくので、人物たちの魅力が異なる切り口で表現されていきます。クリエイターばかりということで、一癖も二癖もある人物ばかりですが、中でもコーキの純粋さが光ってますね。


順風満帆とはいかないもののそこそこ平和に暮らしているところへ、ミステリアスな莉々亜が参入してくることで何かがズレ始めてきます。……いやむしろ、ズレてた部分を隠していたのに、次々と指摘され始めたってのが正しいのかな。
芸術に関する認識そのものの話よりも、それによって随分と違ってくる人間関係や人生観が気になってしかたない。
大体の人物の性格は把握できてきたので、この引きからどんな展開が待っているのか想像を色々めぐらせています。辻村さんなら、裏切られることはまずないでしょうし。


辻村深月さんの作品感想


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