名前探しの放課後 下

名前探しの放課後 下  Amazon
癒し7ミステリ3
辻村深月名前探しの放課後(下)講談社,2007
シリーズ感想
辻村深月さんの作品感想
放課後が楽しみだった時代に戻りたいです。いや、この本とはあまり関係のない感想ですが。タイムスリップしたといういつかの記憶を頼りに、名前の分からない生徒の自殺を防ごうとする物語。
鉄っちゃんでありいじめらっれっ子の河野を鍛えようと、いつかたちのグループは行動します。しかし、努力が無駄だと分かったときの河野の嘆き、それに対するあすなの叫びは熱かったな。
限界集落など、田舎と都会に関する話題などもチラホラ。ネットがある現在、求める都会と本物の都会が違うんじゃないかという話題も、サブ的ながら興味深いです。


チヨダ・コーキどこでもドア、そしてスプーンのキーホルダーなど、辻村さんの他作品を連想させる単語も見かけられました。一作目と二作目を読んでないのですが、関連したものが出てきていたのかも。
クライマックスの疾走感はさすが。ひっくり返しがくるのはいつだろういつだろうとソワソワしちゃいましたよ。
そんなわけで、辻村さんの作品ということで身構えてしまったのがちょいと残念だったかも。下巻を読み始める辺りから、勘でピンときていましたし。まあ名前だけしか分からず背景がまったくだったのですが。なんかタイトルとは正反対ですね。そんな変則的な楽しみ方をしても面白かったですよ。