スロー・リーディング その23
- 作者: 橋本紡,ヤスダスズヒト
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2002/12
- メディア: 文庫
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・67〜70ページ
☆「おまえさ、そうやって動く前にぜーんぶケリつけちゃう性格、どうにかしろよ。でないと、どこにもいけなくなっちまうぞ」
「ぜーんぶ」とー(長音符)を普通の単語に使う和人は珍しい印象。あとにある「それは完全な口喧嘩だった」に呼応しているのかな。語尾の「ぞ」もあんまり和人は使わないような……と思ったけれども、和人の最初のセリフが「よう、最高のカステラを持ってきてやったぞ」でした。
☆「狭い階段の踊り場で、あたしたちはいがみあっていた」
☆「誰かにスカートを引っ張られたと思ったら、それはお姉ちゃんだった」
☆「ボソボソと、声が聞こえてくる」
「あたしたちは狭い階段でいがみあっていた」「声がボソボソ聞こえてくる」の方が普通なので、狭い階段の踊り場とボソボソを強調したと思われる。
△「きみがゆくみちのながてをくりたたねやきほろぼさむあめのひもがも」
毛布おばけになったお姉ちゃんが始めて口を開いた言葉。万葉集に収められている短歌の一つです。意味については、物語の中で後述されているので割愛。