スロー・リーディング その24


・70〜72ページ
△「電話が鳴ったのは、その片づけが終わりかかったころだった
階段の踊り場で話を続けず、家を出てから和人は未明に電話をかけてきます。お姉ちゃんが呟いた短歌の話なので、家を出る前にしゃべればよさそうですが、いくら毛布おばけになっているとはいえ、恋人の前で弱音を吐くのを嫌ったのかも。
☆「似てるんだろ、オレ。おまえたちのお父さんに
☆「気づいていたんだ、和人は」
どちらの文も通常とは逆の順番で並べられているので、最後に持ってきた節に重きを置いている。
△「まるで不幸を引き受けあっているみたいだった
お姉ちゃんが呟いた短歌が、未明と和人のどちらに向かって言われたかに関して、二人とも自分だと思っているようです。和人自身が言及しているように、時系列的に考えると和人の話のような気もするのですが確証はありません。