隻手の声

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癒し4シリアス3コミカル3
椹野道流隻手の声 鬼籍通覧4 (講談社X文庫 ホワイトハート)講談社,2006
シリーズ感想
椹野道流さんの作品感想
法医学者が主人公のシリーズ4巻目。今回は完璧にミステリからは遠ざかりました。ホラーからも遠ざかっています。いったいどこへ進もうとしているのかわからないですね〜。面白いけどもさっ。
学会に絡んで、児童虐待や高齢者虐待を学問として扱うことについての話題も出てました。この辺りもちょっと詳しく読んでみたいなー。また、崇が他県の監察医・龍村のもとで修行することになったりも。行政解剖司法解剖の違いなどは初めて知りました。ニュースでも何気なく出てる単語ではあるんですけど、気にしていないと聞き流してしまいます。


ミチルと峰子に問い詰められてる崇がかわいいなと思ったりも。筧と崇の友情も確認できました。ただ、筧の家に上がりこむシーンも多かったので、なんか妙な気分になったりも。……やっぱ崇のヘタレ受けなんだろうか。
崇がどんどんネットゲーにはまっていく部分は、おいおいと心の中でつぶやいていました。典型的な廃人コースでしたからね。筧やミチルが止めても、いうこと聞きませんもん。言い訳具合がオタクっぽくて笑えました。


今回のタイトル「隻手の声」は本筋でもうまい具合に絡んできていました。親子関係の話が多かったですし、色々と考えさせられます。そんな関係で、崇は今回へこむ役が多かったですよ。……まあ、その分成長もあったのでよいのかな。