高く孤独な道を行け

高く孤独な道を行け  Amazon
シリアス6燃える2ミステリ2
ドンウィンズロウ『高く孤独な道を行け (創元推理文庫)東京創元社,1999


ニールがくそったれな作戦を遂行するシリーズ三作目。前巻の終わりで中国に幽閉されていたニールを、グレアムが迎えに来るところから物語は始まります。
今回頼まれる仕事は、離婚したカウボーイの父親が連れ出した息子を連れ戻して欲しいという頼みです。順調そうな仕事でしたが、物騒な宗教が絡んでくるなど、案の定簡単にいくわけもなく……。
潜入捜査ということで、周りの善良な人たちまでも騙さなければいけないという状況が続き、長引けば長引くほどニールが苦しみます。ニール独特の軽い調子で進むので幾分軽減されているものの、読んでる私もいや〜な気分を払拭できませんでしたからね。
近づきすぎてはいけないと思いつつも、結局ミルズ夫妻やカレンと一緒にいるのが心地よいわけで。心地よさに負けてしまいそうになるニールを見るたびに、負けてもいいじゃんと思ってしまうのですが。


物語はそれぞれの思惑を含みつつ、ニールに精神的ダメージを存分に与えることを忘れもせず、結末へ向けて暴れ馬の如く突き進みます。なんだかんだでやっぱりレヴァインはかっこいいなもう。
神には見放されているんじゃないかと思うほど最悪な場面に遭遇し続けるニールですが、グレアムを始めとする周囲の人々には愛されてますな〜。


ドンウィンズロウさんの作品感想