さよならピアノソナタ

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癒し5コミカル3ミステリ2
杉井光さよならピアノソナタ (電撃文庫)メディアワークス,2007


音楽評論家の父が道具をすぐ壊してしまうことから、オーディオ機器を解体したりいじったりするのが趣味になった高校生・ナオ。彼が廃棄物の山でピアノをひく少女・真冬と出会うことから始まる物語。
真冬は天才ピアニストで、でも最近はピアノをひかなくなっていて、しかも真冬がナオの学校に転校してくるんですが、六月になったら消えるとか言い出します。謎多きお嬢様です。


破天荒な真冬に負けじと、ナオの幼なじみの千晶もいい性格してます。「ナオにああいうどきっとしちゃうこと言っちゃだめ!」とか、あからさまに好意を寄せてくるんですが、悪くない感じです。かわいいのは得ですね〜。
民俗音楽研究部の部長・神楽坂先輩の不敵さも素敵。ギターの購入をかけたナオとのじゃんけん勝負の顛末とか面白かったです。「私のは服も脱がさずにやるから淫行にはならないよ」とか、どこまで本気なのか見えてこないのもグッド。


ところどころに散りばめられた伏線も、最後には見事回収されます。ギター探しの旅も謎が落ちていていい感じです。それに、ときどき2ちゃん用語があったりするのも杉井さんらしいですね〜。ストレートな青春物語で、気分よく読み終われましたよ。


杉井光さんの作品感想


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