幽霊列車とこんぺい糖―メモリー・オブ・リガヤ

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鬱5シリアス3癒し2 <ピックアップ4>
木ノ歌詠幽霊列車とこんぺい糖―メモリー・オブ・リガヤ (富士見ミステリー文庫)富士見書房,2007


自殺しようと思ったいた鉄道が廃線になっていることに気づき失意の中の海幸が、その廃線でリガヤと名乗る少女と出会う話。
自殺志願者で味覚障害で母親であるチコちゃんは問題ありでな海幸と、廃線を幽霊鉄道として復活させると言い出すリガヤの凸凹コンビを眺めているのは楽しいですね。見当違い方向へ自転車を向ける場面とか創作に熱中するリガヤに食事をあげるとことか。
でも、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を思い出すまでもなく、最初から鬱屈とした雰囲気なので心の底からは楽しめないんだよね。まさしく砂を噛んでるような感触なわけで。


中盤以降は徐々にリガヤの狂気がにじみ出てくるのでさらに辛いです。幽霊列車は二人を乗せてどんどん加速してくからたまらないよ。
唯一の救いは、こんぺい糖を弾丸にしようとせず食べてくれたことでしょうか。もっとも、普通の食べ方ではなく、お互いの舌にこんぺい糖を挟んで溶けるまで待つという少女らしい素敵な食べ方ですけれどもね。


木ノ歌詠さんの作品感想


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3、映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』ミュージカル風映画。
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