この雰囲気が楽しすぎるギャグxラブ


石黒正数それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)少年画報社,2006


こちらもwebの感想を読んで手に取りました。メイド喫茶で働く女子高生・歩鳥ちゃんを主人公に、熱く萌えについて語るメイドさん漫画……ではありませんでした。まあ、二巻の帯の推薦文に「本格メイド無し」と描かれていたので期待していませんでしたが。ほんと、萌えで和む漫画を期待してなくてよかったよ。や、表紙はメイドさんですけどね。
元気いっぱいな歩鳥や姿からしておかしいメイド長はともかく、一見すると真面目そうなクラスメイトや担任も、周りに振り回されるだけでなく振り回し返すくらいキャラに味があっていい。この世界にどっぷりつかっちゃうと、はちゃめちゃっぷりがすごかった歩鳥ちゃんも段々かわいく見えてくるから不思議。慣れ? さっき萌えとかないと書いたけど、萌えも和みもほほえましさもちゃんとあるような気がしてきました。
基本的には歩鳥が暴走して起こるギャグなんですが、謎の人物画を巡る謎解きな展開があったり、ちょっと恋愛モードになったり、あるいは歩鳥の弟と妹の日常の冒険譚が出てきたりと話の幅が広いです。一話完結型なので投げっぱなしもあるような。『苺ましまろ』とか『あずまんが』のような傾向もあるけど萌え一直線ではないしな〜。とにかく色んな要素がぶち込まれていて楽しかったです。笑えるなんて断言できないけど笑える。そんな漫画です。読んでみてよかった。