ふつうじゃないとこがいいですなギャグxミステリ


蘇部健一ふつうの学校―稲妻先生颯爽登場!!の巻 (講談社青い鳥文庫)講談社,2003


十八禁ではないけど、ちょっとエッチなビデオを借りることに興味を持ち始めた、小学五年生のアキラが主人公。アキラの担任として、稲妻先生が赴任してきます。最初は女王の教室みたいなのかと思っていたのですが、全然違った。いや、似たようなことは言うんですけど、そこで描かれているのはトンデモ教師。
少女たちの前で脱ぎ始めるし、「おれはせっかく年端もいかない少女の裸が見られると思って楽しみにしていたのに」とかのたまう辺り、先生として、いや人としてどうかと思う。さらには、美人女優ドンジャラで子供から金をぶんどってるよ、この先生。しかもこのドンジャラは変り種で、焼き鳥や割れ目、ポンがあるなど麻雀に近い。本編外のところで二ページ使って詳しく解説してるし。
そんなトンデモっぷりを緩和するかのような羽住さんのイラストは、何度みても好きだなー。羽住さんの描く美少女は美しくてなんか神聖な感じがするし、逆にルイ先生はかわいい印象を受けました。そして、六さんはいろんな意味でいい男だ。
もっとも、そんなことで先生の暴走が止まるはずなく、女の子の席決めをドラフト会議でやろうとしたり、もう最後まで無茶苦茶。ここまでくると笑っちゃうしかない。呪いとかいじめに関連してちょっとした謎解きなんかもありますが、この本の最大の魅力はこの先生でしょうね。私も、くだらねーと笑っている間に読み終わっちゃいました。まあ、羽住さんのイラストに多大な功績があるようにも思いますが。はてさて、この本面白いのですが、なんで青い鳥文庫から出てるのかな〜。