最凶で最悪で、それでも最高の笑顔ヒートxヒール


野島けんじ鳥は鳥であるために (MF文庫J)メディアファクトリー,2004


のっけからメイドさん二人に連れ去られる、「むうちぃ」というカバ型の呪に取り付かれている呪受者の志郎。展開自体はギャグだけど、全体を漂うのは決しておき楽なものじゃありません。わりと重め。そのメイドさんにつれてかれた先で遭遇する、美人だけど口数の少ないお嬢様・小鳩から兄探しを手伝ってほしいと頼まれるます。志郎の妹であり、こうと決めたら一直線な性格の菓も勝手についてきて、三人で小鳩の兄の捜索を開始。
三人で遊園地に遊びに行く過程は、ちょっと気分が悪くなるけど素直に楽しめました。ここで呪受者の呪縛から一歩前進するも、ジェットコースターの事件でまた心を閉ざしてしまうところが、歯がゆい。こういう流れの中では、小鳩に手紙を書いたりする一生懸命な菓の存在がありがたいですよ。本当に呪われているとしかいえない展開が続きますが、乗り越えようする姿勢がこの物語の醍醐味でしょう。
どっちかというと、志郎よりも小鳩ちゃんがメインの話なのかも。まだ一巻ではなにも決着がつかないものの、ラストはいい感じに締めくくられています。世界観は複雑なものではなく王道の展開ですが、こういう話は何度読んでもいいですな〜。
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