松澤さんを全力で応援します!ラブxギャグ


竹宮ゆゆこわたしたちの田村くん (電撃文庫)メディアワークス,2006


進路希望に「故郷の星に帰る」とか書いちゃう不思議ちゃんな松澤さんと、チョコで窓をぶち抜くなんて派手な登場をするツンドラな相馬さんが、いまいちパッとしない田村くんといちゃいちゃする物語。hp本誌に掲載された二話と、書き下ろしの一話が収録されています。
うさぎホームシック」親友・高浦がクラスに告白ブームが起きていると伝えて、田村が暴走するところから話は始まります。そんな彼が接触を図るのが松澤さんなのですが、やっぱり不思議ちゃんだ。でも、かわいい。「うっ……」「まんぼっ!」のやりとりにどれだけ心が和んだことか。
珍妙な言動を繰り返す松澤さんなのでなかなか本心は見えず、我慢しきれなくなった田村がふとネットで検索してしまうところから急転。うん、田村はバカで一直線だけどそれがいい。まあ、うさぎさんな松澤さんに『悩殺』されるのも仕方ないさ。私も心を打ち抜かれましたよ。
氷点下エクソダス」何か読んだことあるなと思ったら、hp本誌で前半まで読んでたんですね。それ以降雑誌を定期的には買わず、後半部分は読んでなかったのでよしとするか。うさぎは読んでなかったし、読んだ部分の記憶も遠くなのでノー問題。最初に書いたように、受験の前日にチョコレートをぶち込まれる事件があり、その後田村は高校に進学します。で、同じクラスに事件の犯人でもある相馬さんがいるわけですが、クラスメイトに対してものすごいツンツンっぷり。可愛げがないです。
でもなぜか田村だけはやさしくされる謎。一番ぐっときたのは、「上見たら、殺すからね」というセリフ。ありがちなセリフですがかなり好きです。ツンっぷりを発揮しつつも、下を任せられるほど信頼されてる部分が垣間見えてよい。さらには、事故で下着くらい見せちゃってもという乙女心が憎いよ、憎いよお父ちゃん!
もちろん謎には理由があるわけで、真相が明らかにされたときの相馬さんときたら、ギャップの激しさは尋常じゃない。ギャップは大きいほどいいですな〜。って田村の、そして私の心の中には松澤さんがいるはずなのに、何だか相馬さんに心が、カタムキカケテルヨ? 男って女に頼られると無茶苦茶弱いのな。でも、最後の松澤さんからの電波で、やっぱり相馬さんより松澤さんだなと思い直したよ。……本当ダヨ?
高浦さんちの家族計画」これの主人公は親友の高浦で、義妹の伊欧やらを巻き込んで騒動を起します。うさぎホームシックの前日談ですな。それにしても、松澤さん編のうさぎと相馬さん編の氷点下ときっちり分けられていて、二人がこんなにも絡まないとは思わなかった。それに田村がこれほどバカキャラだとは予想していませんでしたし。完結でもある二巻では、二人は絡むのかな。その辺含めて期待してます。
(追記)ブクマするために「わたしたちの田村くん」を含む日記を追いかけたけど、なかなか一巻だけの感想が見つからない。おかしいなと思っていたら、実際はそのページだけでは終わらず続きがあった。三十日現在246件。……後ろから全部追いかけるのは途中で挫折しました。


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