タイトル通り戦いと恋のバッチですなバトルxラブ


山形石雄戦う司書と恋する爆弾 BOOK1(集英社スーパーダッシュ文庫)集英社,2005   類似検索


第4回スーパーダッシュ小説新人賞・大賞受賞作。恋する爆弾ってかわいらしいな、とかタイトルを見かけるたびに思っていたのですが裏切られた。まったくかわいくない。文字通り爆弾人間・コリオの話で、さらには爆弾としてうまく機能するように記憶を消されています。だから序盤はやたらと乾いた文章なのですよ。
爆弾人間以外にも死ぬと「本」になるという設定があったり、その本を守る武装司書という職業があったりと独特の世界観が構築されます。それらが効果的に使われているし、登場人物たちにも無駄がないです。まず設定の独自さに驚くのに、それを一冊でうまくまとめているんだからすごいとしかいいようがない。
武装司書のリーダーであり最強の狙撃手でもある館長代行・ハミュッツの強さは半端じゃないです。彼女が登場してきてから、コリオはとんでもないことに巻き込まれていくわけですが……。序盤の低体温な印象から徐々に熱を帯び始めていきます。導火線に火がついて段々短くなっていきいき最後にどかんって感じでしょうか。

③ 黎明の戦女神 Amazon② ウィザーズ・ブレイン⑤㊤ Amazon① キーリ Amazon
この小説が好きな人にお勧めする③
壁井ユカコさんの『キーリ』シリーズ。不死人の男とラジオと少女の旅程を描いた作品。→感想
三枝零一さんの『ウィザーズ・ブレイン』シリーズ。魔法士たちの活躍や苦悩を描いた作品。→感想
中里融司さんの『黎明の戦女神(アテナ)』荒廃した世界を舞台にした戦記もの。→感想