誰がなんといおうと利夫ちゃん萌えモエxコミカル


伊藤理佐おいピータン!!(5) (ワイドKC Kiss)講談社,2003


というわけで、ピータンこと利夫が活躍(?)するシリーズ第五弾。講談社漫画賞少女部門の受賞は知っていましたが、知らない間に手塚治虫文化賞・短編賞も受賞していた模様。びっくりだ。
まず最初のつぼは「けんちん汁」渡辺さんがハンサムなライターさんから夕食に誘われる話。素敵な食事をしながらも、渡辺さんは思い出し笑いをしてしまうのですが、その思い出した内容とは、利夫とけんちん汁の由来を考えたときのこと。利夫の語る”中国つくり話”が民明書房をも越える笑いを提供してくれました。
次のツボは「タイプ」恋人である渡辺さんから、遠まわしに理想のタイプではないと言われてしまう俊夫ちゃんがかわいいな。……って自分も同じような立場なので涙がでてきちゃうよ? 「主体性」やっぱり外食だったら同じものを注文せずに違うもの食べたよね、という話。カレーも注文すればセーフという利夫ちゃんの思考にゾッコンラブ。「まいど!!」での味噌販売におけるオヤジとの小さな勝負を仕掛ける心意気にも惚れちゃいます。
「メニューのツボ」イタ飯屋さんなどにある心引かれる品名(例・「木の子の馬車道風スパゲティ」「花咲きオムライス」)や「新」とか「限定」がつくとつい頼んでしまうよねっ、という話。そこから俊夫の嫉妬へとつなげる展開の妙にやられちゃいましたよー。
「うなぎ」mixiのコミュ情報によると、実際にこういう看板が存在しているようです。「うなぎのぼり」どうして自分はそこを避けて生きてこれたのか……という体験話。こちらはコミュにおいて「あなたのうなぎのぼり」が募集されてました〜。私もうなぎのぼりを探したいと思います。
「日々の献立」お母さんが献立を考えるのが面倒になり父と娘にまかせる話。めん類はともかく小麦粉類っていう指示はどうよ? この家族もけっこう好きです。「しつけ」食にがめつい猫のクロをなんとかしようとしつける話。なのに最後は自分の体を張ってねこになりきる利夫たん。これこそキング・オブ・ザ「きもかわ」だと思う。