嘉穂ちゃんがなんかいいな〜コミカルxバトル


桜坂洋よくわかる現代魔法 (集英社スーパーダッシュ文庫)集英社,2003   類似検索


この小説は、桜坂さんのデビュー作でもあり第二回SD文庫新人賞最終候補作でもあります。桜坂さんの小説は、同じくスーパーダッシュ文庫の『ALL YOU NEED IS KILL』を読んでいましたが、まったく雰囲気が違うし。桜坂さんに対するイメージが一変しました。
主人公のこよみは幻想殺しも真っ青なほど不幸な少女。何をやってもどじっ子な感じで、具体的にはないもないところで転んだりします。本当に唐突に転ぶので、のっけから虚をつかれましたよ。ハーレムフラグ(こよみは女の子だから逆ハーレムか)さえも持ってなさそうなので本当にかわいそうです。そんなこよみが自分を変えるために魔法を習おうとするところから物語は始まります。……てか、こよみが主人公なんですね。てっきり一時期パンツはいてないで有名になったクリスティーナが主人公だと思っていましたよ。
さてさて、こよみが魔法を習いに行って見るものの、現代魔法学はコードと呼ばれる概念を理解しなければならず、コードとはようするにプログラムなわけでして。「もしもこよみが総理大臣になったら、みっつ以上ボタンのついているコンピューターを作ったら死刑という法律をつくろう。うん。いま決めた。」という考えを持つほどのパソコン音痴。パソコンが使えないのはともかく、もうその思考回路が不憫でなりません(>_<)
ともあれ、周りに迷惑をかけるからとどんな時でも出自分をひっこめていたこよみちゃんが、次第に前向きになっていく場面は気分がいいですよ。がんばって魔法を使っても、たらいの召喚しかできないこよみちゃんですけどね^^


③ まおうとゆびきり② いつか猫になる日まで① ALL YOU NEED IS KILL
この小説が好きな人にお勧めする③
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