ぶたぶた
ぶたぶたさんが愛らしいコミカルxヒール


矢崎存美ぶたぶた宙出版,2001


読まないと損ですよ〜。
ぶたのぬいぐるみであり、本書のブギーでポップな役割を果たす「山崎ぶたぶた」がベビーシッター、おもちゃ屋の店員、タクシーの運転手、シェフなど様々な立場で人を癒す物語……のように私は思いました。最初は理解が追いつかなくてコメディーかと思ってたんですけどね、表紙のぶたがかわいいし。でも、途中で気づきました。理解する物語ではないと(笑)
短編集で三十ページ程度の話が9個入っています。以下、それぞれの話ごとに思ったこと。「初恋」で混乱し、「最高の贈り物」で絡まった糸をほぐすぶたぶたにやさしい気持ちになり、「しらふの客」でタクシーを運転するぶたぶたの姿を想像し笑いました。
「ストレンジ ガーデン」ではシェフなぶたぶたに人間くささを感じ、「銀色のプール」ではぶたぶたマジックに魅せられ、「追う者、追われるもの」で小休止。
「殺られ屋」で身を呈して仕事に励むぶたぶたに涙し、「ただいま」では記憶喪失になったぶたぶたと、兄が行方不明になっている家族が作り出すノスタルジーな雰囲気に浸れます。そして最後の「桜色を探しに」で収束されます。
優しい気持ちになりたいかたはぜひ。


? アメリ? 死神の精度? 幽霊は行方不明
この小説が好きな人にお勧めする?
?矢崎さんの『幽霊は行方不明 Dear My Ghost』幽霊と破天荒な姉が出てくるミステリ。→感想
?伊坂幸太郎さんの『死神の精度』ずれた死神の視点が好きです。→感想
?『アメリ』感動物だと思っていたら不覚にも大笑いしました^^→感想