清水マリコネペンテス (MF文庫J)メディアファクトリー,2004


あらすじには連作短編集とちゃんと書かれていたのですが、読んでいなかったので最初は連作ではない短編集だと思ってましたorzこの前読んだファンタジーショートショートみたいな味わいを持つ短編が8編入ってます。
どの短編も「ゲーム」が主要な部分を占めています。それが不思議な雰囲気を作ってるのかな? 妹と仲良すぎな主人公の考え方とか台詞回しにセカイ系に近い感じはしますが、ちょっとずれてる感じを受けました。それがこの物語の魅力です。
きついなと思った台詞は、「――自分の罠に、自分ではまり続けて遊ぶの、楽しいか?」です。これ聞いて動揺しない人はいないですよね〜。こてんぱんにされちゃったような。
うえの台詞に代表されるように、いやらしい結末のものが多いです。ファンタジーの雰囲気も持っているので淡々としたいやらしさがにじみ出てきました。たまらないです。自分もこんなの書いてみたいな。
セカイ系を開拓したのはエヴァなのかな? ちょっと詳しくないので分からないですが、そんな就活を絡めたエヴァの面白いタイトルパロ。もとは2ch。リンク先の「京大生の就職活動」のブログは読んでいて面白いので就活生は読むことをお勧めします。


③ 瞬きよりも速く② GOTH① 嘘つきは妹にしておく
この小説が好きな人にお勧めする③
①清水さんの『嘘つきは妹にしておく (MF文庫J)橋本紡さんとは別方向でラノベなのにラノベっぽくない作品。
乙一さんの『GOTH』雰囲気が似ているミステリの連作短編集。→感想
レイ・ブラッドベリさんの『瞬きよりも速く』21作のファンタジーショートショートが詰まってます。→感想