大道珠貴『しょっぱいドライブ』文藝春秋,2003


芥川賞受賞作品であり表題作でもある「しょっぱいドライブ」を含む三篇が収められています。大道さんの本は初めてだと思います。
「しょっぱいドライブ」は人の良いおじいちゃん・九十九さんと中年(?)の女性・ミホさんのドライブ中などのやりとりが描かれています。ミホの過去の男でもある遊さんの回想シーンがちらほら出てくるなど、ドライブ感よりは諦念の感のほうが強く感じられました。いや、諦念ってわけでもないですかね? ミホのどうでもいいやって感情の流れが立ち込められています。そんな雰囲気を持った話でした。
「富士額」はお相撲さんとHした女子中学生のお話。「タンポポと流星」は強引な友人・毬子に振り回される女・灰田の話。毬子から逃げようとしますが、なかなかうまくいくはずもなく^^
方言の効果もあるのでしょうが、田舎の閉鎖的な感じが出されていると思います。出てくる主人公は三人ともどこかしらに似たような部分を見つけることができます。今の私にはまだあまり触れたことのないしょっぱい感情のようですが……いずれそのことに気づくことがあるのかな〜。
③ Love Stories② さくら① ドラゴンフライ
室井佑月さんの『ドラゴンフライ』こっちの女の人は明るいイメージがありますけれどもね。→感想
西加奈子さんの『さくら』ぼやけた主観がいい感じだと思います。→感想
③アンソロジー『Love Stories』恋愛小説集です。→感想