今日はレポートも終わらせたし、橋本紡さんのサイト(猫泥棒で読書感想文!)が行っている『猫泥棒と木曜日のキッチン』(Amazon)の読書感想文も送ったし、まあわりと動けた日だったかと。サイトの更新は出来ませんでしたけれどね(汗)富士ミス用の原稿書きに力入れているので……。見ている人がいるのかしりませんがー(ノ-o-)ノ
さてその猫泥棒の感想。送ったこととはちょっと違ったことを書いておきます。
この物語は同じく橋本さんが書かれた『毛布おばけと金曜日の階段 (電撃文庫)』(Amazon)が初めとなる、曜日シリーズの二冊目に当たります。と言っても、両親が消えて少年と家族ごっこをはじめると言う設定以上のストーリー上の類似点はそれほど多くありません。毛布おばけは長編ではなく短編三つにより構成されているので、簡単に言って物語の波が三回あるわけですが、猫泥棒は章分けされているものの、長編なので大きな波は一回です。そのため猫泥棒のほうが毛布おばけに比べて低空飛行を続けている時間が長く、私にとって受ける印象も雰囲気も違ったものでした。
両親がいなくなってしまった後、主人公と家で暮らすのが猫泥棒では姉、毛布おばけでは弟という違いもあります。残された家族と主人公の関係は重要じゃないかと思うのです。主人公にとって、姉は頼る存在ですし弟だったら頼られる存在になるわけで。……いや、姉は壊れちゃってるから、どちらも一緒かも(殴)
家族ごっこをはじめる少年も、猫泥棒ではまじめ君タイプ、毛布おばけでは愛される馬鹿タイプだと思います。これも物語りに与える影響は少なくないかと。まあ、少年の友人が逆(猫泥棒の友人・愛される馬鹿 毛布おばけの友人・まじめ君)なので、ひっくり返っているわけですか。
そうそう、どちらの少年も怪我で高校サッカーを断念してます。橋本さんにとってなにか思い入れがあるのかな? 橋本さんのブログの話題は猫だけじゃなく、サッカーもあったような。そう言えば、二つの物語にはどちらも和歌が入ってますね。
かぎりとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり」(猫泥棒)
君が行く道の長手を繰りたたね焼き滅ぼさむ天の火もがも」(毛布おばけ)
しかも、両方とも思いがかなわず嘆いている歌だったりします。今回(猫泥棒)のは源氏物語のやつですし、そこそこ有名かもしれません。私も授業で聞いた覚えがあります。
高野音彦画集
ぜんぜん関係ないことばかり書いているようなので、そろそろ感想をば。表紙絵とタイトルでこの本を手に取った猫好きの人はある種つらいかも。そこまでほのぼのとした話ではありません。まさしく猫を盗む場面などは心が軽くなるのですが、梅川和実さんの獣医をテーマに据えた漫画『ガウガウわー太 1 BUNCH COMICS』(Amazon)のようにきれいごとだけではないよと。
表紙と言えば、高野音彦さんのイラストがないのも残念でした。色合いが素敵なので楽しみにしていたのですが。