ROOM NO.1301―しょーとすとーりーず・つー

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コミカル6癒し4
新井輝ROOM NO.1301―しょーとすとーりーず・つー (富士見ミステリー文庫)富士見書房,2006
シリーズ感想
新井輝さんの作品感想
話を向けてきたのはツバメなのに、千夜子のほうが痴漢のやりがいがあると健一が答えると怒られるという、理不尽な話から始まる短編集。健一と綾が痴漢プレイに励む姿はムラムラしますね。腹をくくった健一が勇ましい。
サービス要員は綾だけの模様で、二つ目の暗闇プレイはそうドキドキしなかったかな。ただ「えっと……大海さんとってこと」のツッコミに笑いました。
日奈と佳奈の話はみょにゅーんな感じでした。あとがきでも触れられていましたが、本編の方を先に読んでいたのが間違いでした。


しかしこの短編集の真髄は、コーヒーが出来上がるのをじっと見つめるお仕事をしてる早苗さんと冴子の話だと思います。このシリーズは多くの人物が登場するので、同じ人物だけで絡んでいる場面が続くのは珍しい気も。
印象に残ったのは「なんで最初はいいところばかり探すのに、途中からそうじゃなくなってしまうのかな」という住んでいる町についてのセリフです。
途中で登場する波奈さんも早苗さんも、年長者という貫禄はあまり感じさせないものの、温かな眼差しで語られる話は、読んでいるとじわ〜と染み込んでいきます。こういう話はピンポイントに弱いのです。