先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!

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小林朋道『先生、シマリスがヘビの頭をかじっています! 「鳥取環境大学」の森の人間動物行動学築地書館,2008
シリーズ感想
小林朋道さんの作品感想
大木にスルスルと登る能力がある教授の動物に囲まれた日常を綴るシリーズ2巻目。尊敬という感情が、必要な技術を学ぶために必要な生物学的特徴などと、もっともらしいことを言いつつもやってることはかなりお茶目な先生ですな。
イノシシを捕まえるために、よれよれになりながら罠を仕掛けにいくという風景がとても素敵です。もちろん、大学の授業なので見たまんまじゃないんだろうけど、ある種ばかばかしいことに全力で取り組むことにとてつもなく心が躍るときってありますよね。
なんだろう、普段は仕事をしている職場で大掃除をしているときに、いつも見ないような場所のホコリをも取りたくなるみたいな。


奥さんとの会話で、順序を逆にした動物園の話は笑いました。また、駅前にヤギが放牧されている風景を、合成ででっち上げる行動力に拍手。
動物そのものというより、人間の若者によるニオイづけと言った話題など、人間に対する効能みたいな話が序盤は多かった印象。
そして意外にというか当たり前ですが、動物に対する実験や研究もしっかりしているんだなということが伺えます。ヤギやシマリスによるヘビと対峙したときの反応などなど。先生の机周りがすごいことになっている証拠写真もありましたよ。
ドングリの効率的な殻のむき方は興味深かったです。あるいは犬が演技をする話などなど、自分の中にあったこれまでの常識が覆されることも。
実習はとにかく楽しくやることが大切であるとありましたが、そういう環境を作ることが物事を深く捉えるためには最重要課題なのかもめ。