”文学少女”と飢え渇く幽霊

”文学少女”と飢え渇く幽霊  Amazon
ミステリ4シリアス4コミカル2
野村美月”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)エンターブレイン,2006
シリーズ感想
野村美月さんの作品感想
お話を食べてしまうスレンダーな文学少女・遠子先輩と彼女専属の作家・心葉が、古典作品を下敷きにした事件に巻き込まれるシリーズ2巻目。文芸部宛てに届いた手紙や幽霊のような少女を軸に展開していきます。
幽霊の台詞や手紙の解読を二人がコミカルに進めていくのかと思いきや、先輩が仲間はずれ。先輩の居候先の息子である高校生で、三股かけてる流人が関わってきます。女の子関係の行動力が半端ないですね。


蚊帳の外の先輩は、いかがわしい繁華街を制服で歩いてしまう上にコスプレパブに行くなど無駄に根性を発揮しています。猫耳ウエイトレスさんに「ご主人様ニャン?」のイラストがないのはなぜですか?
麻貴さんだけでなく、読者にも見せて欲しいと思うのは私だけでないはず。……あるいは、ヌードモデルになる条件付で情報を教えた際のお楽しみとっているのかも。お楽しみは後で、ですね。
仲間はずれといえば(?)じわじわ出てくる琴吹さんもかわいいなと思うものの、本編に深く関わってこないので残念なところ。先輩への告げ口やパジャマ姿を恥ずかしがる姿などツボ押されまくり。


下敷きとなっている『嵐が丘』は読んだことがないのですが、過去と現在に渡る悲しくも燃え滾っている愛情の焦げ臭い熱さは感じられました。また、数字はおいしくないという伏線が一番おいしかったです。
バカな感想を書き綴っていますが、文学少女のように本を味わうことが出来たら、新鮮で面白いだろうなと思いました。頑張ろう。