人を動かす

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デールカーネギー人を動かす 新装版創元社,1999
デールカーネギーさんの作品感想


打順さんに薦められて読みました。人間関係についての本です。基本構成は、ルーズヴェルトリンカーンなどの有名人の事例や一般市民での体験談を引き合いにし、褒めることの大切さと相手をこてんぱんにやっつけることのむなしさを説いています。以下、羅列。


・自分の間違いを認めたがらないもので、非難されることを恐れ、賞賛されることを望んでいる。嫌なことがあっても、その気持ちを相手には直接ぶつけないこと。相手に重要感をもたせることが大切。
・人を傷つけることでよくなることは、自分の溜飲が下がるだけでどうしようもない。むしろ、素直に感謝すること、評価することを心がける。よく言われることではありますが、人の立場にたって考え行動すること。
・相手を動かしたいときには、いかにすれば動きたくなるかを考えることが近道。これは子供に対しても効果あり。


・他人に関心をもつこと。人情の機微を理解し、察知することの価値を知らなければいけない。初歩としては、名前を覚えること。興味を持っていることを知らせるべき。これは就活で生かせるかも。
・よい聞き手となること。話甲斐のある人間になりしゃべらせるためには、相手が関心を持っている部分を知り、興味を寄せること。
・ただし、議論を避けること。議論に勝っても得ることがないことが多い。気持ちよく時間を過ごしてもらうことのほうが、なにより大切。
・誤りは素直に認めること。これは、相手に重要性を与える行為でもあるので。このとき穏やかに話すこと。冷静さを欠いてはいけない。


・人を動かす極意として、命令するのではなく相手に気づかせることのほうがはるかに上出来。
・注意するときには遠まわしに、顔をつぶさないように、迂遠に。顔をつぶされたらも、もうこちらをまともに向いてくれない。
・テクニック的なものとしては、「イエス」と答えさせる質問をさせること。小さなことからでもよいので、相手の心持ちに影響を与えます。
・母親のためとか子のためとか、美しい心情に呼びかける。大義名分というやつかな。


・演出を考える。この具体例に出てくるようなこと大学でやられたことを思い出しました。英語の授業だったのですが、最初の授業で先生が千円札に火をつけようとして……。講義の間寝てると、千円を捨てるのと同じだよと。これは記憶に残ってます。
・最後に収録されている幸福な家庭をつくる7原則。ディズレーリの話がなんかよかったなー。
・以上、基本的なことばかり。これを実践すれば全部ことがうまくいくわけではないでしょう。でも、これらを軽視しすぎて、なんとかなることさえも忘れてるはず。労力を惜しまないように気をつけよう。