やってきたよ、ドルイドさん！

志瑞祐『やってきたよ、ドルイドさん! (MF文庫J)』メディアファクトリー,2008
志瑞祐さんの作品感想

転入してきたドルイドさんが巻き起こすコメディ。主人公であり委員長の夏穂が、学校へと走って向かっている普通の出だしから、１０行もしないうちに「クマ……ッ！？」と叫ぶことになるわけで。
神秘の力＜森の知恵＞で数学を乗り切ろうとするドルイドさんは笑えたし、オオカミの遠吠えには思わず私も突っ込んでしまいました。

動物たちを守るために立ち上がるドルイドさんのイラストは最高でしたね。動物たちの愛らしい眼差しもあり、これは納得せざるを得ません。どんなにおかしな理屈でも、丸め込んでしまうドルイドさんの自然パワー。すごいや。
そして、最大の見せ場であるチキン四天王とのバトルが勃発します。いや、４０ページの時点でこの盛り上がりっておかしくないでしょうか。
いちいちかっこいい二つ名を持つ鶏たちが素敵です。一切の手を抜かず真剣に対峙するドルイドさんはもっと素敵です。無駄に巻き込まれて恥ずかしい姿をさらしてしまう夏穂は、もっともっともっと素敵です。

法香を始めクラスのみんなもノリがよくてよいな〜。口では嫌がりつつもドルイドさんの支えになることを放棄しない、苦労人体質の夏穂がクラスの長である賜物でしょう。
それにしても、夏穂は巻き込まれキャラのはずだったのに、動物たちと戯れている内に自然体になってきたからか、ドルイドさんもびっくりの暴走が飛び出すから楽しいです。突っ込んでよしボケてよしと、緩急自在な夏穂のおかげで愉快な時間を過ごせました。

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