別冊 図書館戦争 2

別冊 図書館戦争 2  Amazon
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有川浩別冊 図書館戦争〈2〉アスキーメディアワークス,2008
シリーズ感想
有川浩さんの作品感想
検閲に対抗する図書隊の日々を描いた図書館シリーズも最終巻。雑誌に掲載されていた緒形副隊長の過去の話などが収録されている短編集です。
最初は緒形副隊長の話なのですが、これまでの印象通りなかなかの奥手です。「……今、俺たちキスした?」と聞き返すなんてヘタレ過ぎやしませんか。計算だとしたらやりますが……。
とはいえ、過去形にされちゃうシーンはかなり辛いです。はっきりと喧嘩してるときよりも、少し冷静になってるときに過去形にされると、もうどうしようもないんだなとなおさら心にささりますよね。


続いて郁にかわいくせがまれて、堂上が小牧との過去を話していく話。出来事自体も面白かったですが、いつもとの雰囲気とは少しだけ違う教官たちが新鮮でした。また、合間に挟み込まれる堂上と郁の掛け合いは、べったべったのニヤニヤです。


最後はあの二人のエピソードで締めくくられています。なにごとも綺麗にやり過ごしていた印象の柴崎が追い詰められるのは、ちょっと見ていられない。邪道ですが、このシリーズらしい明るい未来はいつくるんだとやきもきしていました。
クライマックスはそれまで鬱憤もあって痛快でしたけれどもー。そして本当に最後は優遇政策がこれでもかと施行されていましたけどー。最後に主役をかっさらっていった二人ですな。
まあみんな幸せなのでこれでよいのかも。これまでご馳走様でした。