超人間・岩村

超人間・岩村  Amazon
燃える4コミカル4癒し2
滝川廉治『超人間・岩村 (集英社スーパーダッシュ文庫)集英社,2008
滝川廉治さんの作品感想



諦めや絶望が嫌いな男・岩村陽春を筆頭としたアメコミ同好会の活動を記録したもの。deltazuluさんの感想を読んで手にとりました。
前座話として柔道部を救うために立ち上がった同好会の姿が描かれていますが、暑苦しいし人間離れしていて笑えた。「俺は何があろうと、友達と家族だけは食べない」の発言にとどまらず、それを翻すマルちゃんはどっからどう見てもおかしい。ボールギャグを装備した姿はギャグとか思えないです。
多村の見せる様々な切れ味は無条件で憧れますね〜。虚弱体質なのが価値を高めているようで不思議なところ。


この三人組が、廃部の危機に陥っている演劇部を助けるために立ち上がる場面から、本番の幕が開けられます。アメコミ部を敵視し暗躍する生徒会メンバーや新聞部のコンビを巻き込んで展開していきます。
用意されている舞台からしておかしいけれども、それがいい具合に作用してはちゃめちゃな活躍が見られます。といっても、アメコミ部の三人だけではなく、「ロミオとジュリエット」に関わる全てのキャラクターたちが、それぞれにぎやかにやっているので三人組の暑苦しさなんて気にならなくなります。みんな燃え上がってますからね。


一番印象に残っている言葉は「……先生は、歩けたのですか」ですね。コテコテな動きに笑いつつ、劇に出演することに対して悩んだりする場面では応援しながら、楽しく読み終えることができました。
安っぽいですがこの一言に集約されるかと。『すごくかっこよかったです


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1 オオカミさんと七人の仲間たち  Amazon2 世界平和は一家団欒のあとに  Amazon3 ロミオの災難  Amazon
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3、来楽零さんの小説『ロミオの災難』どの学校でもロミオとジュリエットの劇を行うのは大変なようでして。→感想