私立!三十三間堂学院 5

私立!三十三間堂学院〈5〉  Amazon
癒し5コミカル3シリアス2
佐藤ケイ私立!三十三間堂学院〈5〉 (電撃文庫)メディアワークス,2007
シリーズ感想
佐藤ケイさんの作品感想
腕力は強く格好も口も不良っぽいが、根はいいやつである明日香がメインのシリーズ5巻目。彼女の憧れであり緑を愛する樹葉も登場します。
明日香がいいんだよねー。ベタベタだけどそこに燃える。また、樹葉はおっとり系お姉さんタイプであるものの、自分の立てた野望のためなら攻撃さえも躊躇わない黒い人です。清らかな黒。


些細な誤解から追い詰められる明日香ですが、逆境って燃えますし、なにより孤独な戦いではないから読んでる負担も少なめ。特に樹葉の懐の深さに助けられます。
樹葉が明日香を迎え入れる際の、飾らない言葉が素敵でした。また、生徒会に突きつけた要求に明日香の魅力が出てます。あそこで法行のことを考えられる人って少ないと思う。私も全然意識が向いていませんでした。


前回の後遺症で会長が学校を休んでおり、副会長のかずちが奮闘するのですが、迷走し今回やたらと株を落としてます。フォローも入っているようですが、あんまりかんばしくないような。かずちの思考が、正義のためというより自分のためってことが強調されすぎてるように感じました。
挽回するには伊織のときのように、かずちをメインに据えて今回の反省から精神的に強くなるような話がないと辛いですね。
そして、ここ最近あやの登場回数が多めな感じ。もしかしたら、今後メインでくることもあるのかしらん。真奈との対比をするのにいい具合の立場のような……。というわけで、真奈が出てこないのが唯一残念な巻でした。