傷物語

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ギャグ4バトル3癒し3
西尾維新傷物語 (講談社BOX)講談社,2008
シリーズ感想
西尾維新さんの作品感想
化物語の前日譚であり、阿良々木と金髪の吸血鬼・キスショットとの衝撃的な出会いが描かれています。ちらりと見えたスカートの中身を延々と描写するなど、強烈なエロ補正がかなりかかっていますね〜。
トントン拍子で非日常の世界へ引きずり込まれていく阿良々木を見ていると、哀れというかなんというか。常識では考えられない危機的状況なのに、一般の常識に囚われて行動しちゃったりする辺り憎めません。
相変わらずの言葉遊びや文字遊びは健在。声が裏返ったりしています。阿良々木と忍野の会話でも特に、男子と女子の違いをテーマにしたやりとりは笑わせてもらいましたよ。


鮮血的な個性で魅了してくれたひたぎは今回登場しませんが、委員長の羽川が出張ってきています。微エロな羽川が超かわいいです。化物語での駿河はもっと直接的なエロ発言が多かったように思いますが、やはりそれよりは恥らいつつも口にする委員長に軍配が上がります。
阿良々木が勢いでエロ要求をしてそれを穏やかに受け入れる羽川が、もうしんぼうたまらんという感じ。エロは言葉を超越します。学園異能バトルのクライマックス直前の再現は……。こんなことされたら負けられないと思いますよね。
ラスボスを倒すために阿良々木が羽川へ協力を依頼する場面は必見です。羽川の血管が切れる辺りからはもう極上の味わいでした。けっこういい感じの場面だったりシリアスな場面でも、場の空気を読まずにエロ重視の発言を繰り出す羽川蕩れー。


そして、阿良々木は幾度かの決闘を繰り広げることになるのですが、この結末は苦い。確かに正真正銘バットエンド以外の何者でもないや。
でもこのバッドエンドを経験することで、次のグッドエンドへのフラグが立ったと思うしかないかな。ルートのフラグを立てつつエロCGの回収も兼ねている、そんなバッドエンドな物語でした。