付喪堂骨董店―“不思議”取り扱います

御堂彰彦『付喪堂骨董店―“不思議”取り扱います (電撃文庫)』メディアワークス,2006
シリーズ感想
御堂彰彦さんの作品感想

deltazuluさんの感想を読んで手にとりました。不思議な力を持つ「アンティーク」と呼ばれる品とそれを手に入れた人たちの物語。
無愛想な少女・咲が店員を務める付喪堂を舞台としているのですが、この咲がカリスマ店員を目指してみたりとか、微妙に路線を間違えていてほほえましいですよ。くしゅんかわいいよくしゅん。物騒な品々を手に入れてくれる都和子さんもいいキャラしてます。

四つの物語が収録されているのですが、どれもこれもブラックな話が続きます。そういう性格の物語なんだな、と当たりをつけたところでやってくる最終話が最高。どこぞの賢者のプレゼントですかい。
また、「わたしだってこう見えて十代の女の子だ」とか自分で言っちゃうあたりにラブリーさがあふれ出ています。
手堅く伏線も張ってあり各話ごとにオチまでしっかりしてあるなど、話の筋がしっかりとしているのでほかの事に気をとられることなく、存分に主人公・刻也と咲のやりとりでジタバタできます。読んでみようと思っていてよかったー。

この小説が好きな人にお勧めする３

１、御堂さんの小説『ヒトクイ』やるせないヒトクイの物語。
２、矢崎存美さんの小説「ぶたぶた　シリーズ」山崎さんはアンティークなのかも。→シリーズ感想
３、殿先菜生さんの小説『うさぎの映画館』骨董屋さんでアルバイトするおっとり少女。→感想