ささらさや

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癒し6ミステリ4
加納朋子ささらさや (幻冬舎文庫)幻冬舎,2004
加納朋子さんの作品感想



幼いユウ坊と妻のサヤを残してお陀仏してしまった夫。そんな彼は、謎に戸惑い途方にくれるサヤに対して、「馬鹿っサヤ」とつぶやきながらも、手を変えよろめきそうな彼女を支えます。
遺骨がなくなってしまうなどの、日常の謎と遭遇していく連作短編集です。いちせさんの感想を読んで手にとりました。


危なっかしいサヤの周囲に口うるさい老婦人たちがやってくる「空っぽの箱」は面白かったな。珠ちゃんもほどほどにしとけよーとは何度も思いましたが。
その後にやってくるサヤと同年代の友人・エリカも分かりやすい性格ですな。エリカとおばあちゃん連合の言葉の対決は何故か落ち着きます。いやひどい単語の応酬なんだけども。


謎の推理過程の醍醐味よりも、謎を解いた後、凝り固まった人間関係が緩やかにほどけるのが魅力的。
加納さんらしくとても安心できる世界観です。したたかさ勉強中のサヤや赤ちゃんのユウ坊には、こんな環境がいいのかも知れませんね。最後の素敵なマジックもこの物語にはとてもマッチしてますよ。姉妹編への期待も高まりました。


この小説が好きな人にお勧めする3
1 ななつのこ  Amazon2 サンタクロースのせいにしよう  Amazon3 最後の願い  Amazon
1、加納さんの小説『ななつのこ』ファンレターによって紡がれる謎の連作短編集。→感想
2、若竹七海さんの小説『サンタクロースのせいにしよう』どたばたした生活の中にある謎の連作短編集。→感想
3、光原百合さんの小説『最後の願い』劇団の立ち上げと共に謎を解き明かす連作短編集。→感想

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