ほうかご百物語

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コミカル7燃える3
峰守ひろかずほうかご百物語 (電撃文庫)メディアワークス,2008


第14回電撃小説大賞・大賞受賞作品。深夜の学校で血を吸おうとした少女・イタチと彼女の正体をイタチと見抜いた真一のお話。
イタチさんとの出会いで奇怪な出来事に巻き込まれていく真一なんですが、なかなかいいキャラしてます。常識人であり一般人のように見えて、思い込むと素直で一直線だったり恥ずかしいセリフにも照れが無かったりと、暴走気味な真一を眺めているのは楽しいな〜。照れさせ過ぎて卒倒させてしまうってどれだけよ。
イタチは最初の頃、人間との感覚のズレも面白かったです。徐々に人間臭くなっていくのもミソ。化けの皮が剥れてくるのかな……って逆か。


妖怪マニアの童顔先輩・御崎もいい味出しています。イタチを始めとして、妖怪がわんさか出てくる事態となるのですが、妖怪知識を生かし理詰めで解決してしまうのは意外に知識欲とかをくすぐられます。
会長と副会長の新井輝のコンビも魅力的。御崎に振り回される会長もかわいそうだったし、鬼退治の案を提案したときの新井さんの照れた表情もよかったので。頼れるお姉さんって好感が持てますよ。脇役ではありますがその謙虚さもまたよし、です。
プールで赤ちゃんをキャッチしてしまうところと「何考えてるんだ滋賀県」には不覚にも笑ってしまいました。あほ過ぎる。
最後に現われた鬼やら天狗にもなんか癒されましたよ。ほのぼのは私の好物ですから。安心して読めるこの路線で書いて欲しいな〜。


峰守ひろかずさんの作品感想


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