ストップ☆まりかちゃん!
菅沼誠也『ストップ☆まりかちゃん! (電撃文庫)』メディアワークス,2008
ジャケ買い。天才女子高生がちょっぴりドジしちゃって巻き起こるコメディを想像して買ったんですが……ちょっぴりどころじゃないよねこれ!? ドメスティックな四つの短編が収められています。
ビン底めがねの鞠歌ちゃんと同居してる星太くんが主人公なのですが、そこに甘いロマンスなんて微塵もなくむしろミジンコとかアメーバーが出てきます。最初の話でメインを張るのは人形のヒトデだしな。びばヒトデ祭り。
同じ路線のドクロちゃんでは、主人公が色々と撲殺されてひどいことになっていますが表現はオブラートに包まれていました。
対して、このまりかちゃんは人間がひどいことにはならないものの、昆虫やら細菌やらあまり見たくないものが具体的に描写されており、まりかちゃんの手でさらに見たくない状態になってしまうのでかなり想像力を刺激されます。つか、刺激臭がしてきそうな本を初めて読みましたよ。
グロ一直線かと思いきや、おっとり系のみづきちゃんや冷静沈着な一泉ちゃんなど萌えっぽさがあるし、無茶苦茶やりつつ無理やりいい話に突入することもありますし……登場人物にも、エロに一直線で犯罪者の友人・高部や秘書タイプなのに振り回されてかわいそうでそこがまたかわいい津山さんとか色々取り揃えられています。
まあ、色んな味付けで誤魔化しても本書の印象は「きしょい」の一言に尽きますけどね。キモイ物見たさで手を出すのは十分ありだと思います。ごった煮が本書の魅力ですが、ごった煮って素材を厳選しないと大概グロいものしかできないよね☆
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