東京『失楽園』の謎

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太田忠司東京『失楽園(エンジェル)』の謎 (ノン・ノベル)祥伝社,1997


小説家で素人探偵の兄・志郎と漫画家の妹・千鶴の兄妹が活躍するシリーズ第一部完。オフ会で東京に出かけるんですが、千鶴の東京に対する印象が私と似ていて面白かったです。
千鶴は事件に巻き込まれるわけですが、朦朧とする意識の中で天使と死神を見ます。そして、志郎は志郎で別の事件に巻き込まれるわけで。大変ですね。二つの事件が絡んでくるわりと大仕掛けな謎でした。
オフ会とあるように、パソコンも出てくるのですがインターネットではなくパソコン通信がメインに語られるので、なんとなく時代を感じます。そうそう、オフ会参加者にラッコという人物がいて、妙に親近感を覚えましたよー。


ミステリとしても楽しめましたが、前回で大きな進展のあった千鶴の三条刑事とのラブも予想通り悶えますし、千鶴がブラコンに対して一つの区切りをつけるあたりも見所です。コミカルな会話とシリアスなテーマがミックスされていて満足なシリーズでした。


太田忠司さんの作品感想