本当はエロい桜乃きらほ②

桜乃きらほの恋愛処方箋  Amazon
萌え⑪
月見草平『桜乃きらほの恋愛処方箋』メディアファクトリー,2006


無認可の医者・朝永への手術費用を返済するために、身体で支払う黒ナース・きらほの物語シリーズ二冊目。……まさか二冊続けてやることになるとは思わなかったよ。というわけで、ネタバレ全開で話を追っていくので本書の未読者は注意。読んでも面白くありません。







一話目は、きらほのクラスメイトであり委員長と呼ばれる智子と朝永のデートを、鞠菜ときらほが追跡するところから始まります。鞠菜といえば、前巻できらほにトイレに連れ込まれた挙句に服を脱がされ、朝永にも裸にひん剥かれ胸を見られた可愛そうな金髪少女です。
鞠菜はきらほに、私を辱めた朝永に復讐するためにやってきたといいますが、鞠菜の真意は別のところにあるわけで。本当の理由は、朝永の仕打ちが新鮮だったからという話。ああ、きらほに続いて、新しい世界の扉を開いてしまった犠牲者がまた一人……。


さてさて、物理部での秘め事をきらほたちに目撃されてしまった朝永と智子ですが、デートに出かけた二人はさっそく広場の端の高木の陰になった人気の少ない場所に向かいます。しかし、アレを忘れてしまったことに気づいた智子は火照った身体をもてあましてしまうことに。
まあ冷静沈着な朝永は、指へのキスから始まり「唾液の交換があっても問題はない」と言い放つ上に、おいしくいただいちゃうわけですけどね。「マナー違反だが、非常事態であるし仕方がないだろう」と強がる智子ラブ。
その流れで、誰もいない智子の部屋に招き入れられる朝永。……う〜んでも、部屋のカーテンが閉められるのを見ていた、中で行われる行為を想像してしまっただろう鞠菜ときらほの心情を思うと苦しくて仕方ないなー。


もっとも、智子とのことは恋愛ではないことが明かされるわけですけどね。身体が目当てだったわけです。その上で、きらほたちに計画に加担してくれないかと誘います。
智子に噛まれることなくごっくんさせたいと頼まれた二人は、薬を仕込んだ玉子焼きを食べさせてみたり、校舎裏に呼び出し覆面を被った三人が後ろから羽交い絞めにして襲い掛かるなんて作戦を立てたりしますがうまくいきません。
最後は我慢できなくなった朝永が、クラスメイトみんなが見ている前実力行使。意識のないスク水を着た智子と舌を奥まで突っ込む濃厚なキスを無理やり交わし、しまいにはごっくんさせちゃいます。
強引さに惹かれたのかなんなのか、智子は朝永に対する印象を変えちゃいます。智子が不敵に笑いながら、きらほにごっくんしたときの感想を伝えるラストが印象的。


二話目は、医院を突然訪れた女の子・珠樹を巡る話。珠樹を預かることになったきらほですが、家を訪れた朝永を裸で出迎えるなんてことも。なし崩し的に、朝永ときらほは一夜をともに過ごすことになってしまいます。
『頼む。今晩、桜乃が欲しい……』なんて朝永の頼みを断れないきらほがかわいいなーもう。隣で珠樹が寝ているわけですが、「別に今晩しなくたっていいんじゃない」というきらほに対する朝永の答えが秀逸。「日課だからな。毎晩しないと落ち着かない。」……さすがです。


さて珠樹はと言えば、アイマスクで視界を奪われ、朝永の師匠・呉鐘とともに身体を隅々までまさぐられます。
年齢も幼いしもちろん経験もないはずで大変なはずなのですが、ここで驚異の朝永の技術が活躍します。「怖がることはない。血は出ないから、それほど恐怖は感じないはずだ」という言葉とともに、すんなりと挿入される棒。……まあ、珠樹が苦しむ姿は見たくないからいいっちゃいいんだけど。
ちゃんとゴムも装着してコトにおよんだため、結果的に感染症の心配はなくなってよかったよ。なんせによ、この経験を通して珠樹が一つ大人への階段を登ることができて本当によかったですね。


月見草平さんの作品感想