荒野の恋 第一部 catch the tail
桜庭一樹『荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)』エンターブレイン,2005
中学生になったばかりの少女・荒野と電車の中で劇的な出会いをしたクラスメイト・悠也の物語。女遊びが激しい小説家でもある荒野の父・正慶や家政婦さんの奈々子さんなど脇役も魅力的ですな。
悠也の母親である蓉子さんもいい。荒野との攻防戦がわりと好きなので。色んな人と触れ合うことで、荒野が成長していってくれることを切に願いますよ。
それにしても、荒野は引っ込み思案な性格だと思っていたら、ふざけている男子を注意したり、「尼になろうかと思う」と言い出したり、鼻血を出したり……ギャップがあって好感度高し。顔とからだのギャップもまたよしとか言ったら怒られるんだろうけど。
できることならよしよししてあげたいかわいさですねー。
荒野が恋の尻尾を見つけるところまでの話なので、ほほえましいな〜という立場にどうしてもなってしまいました。物語の本筋とは関係ないのに、わざと好きな女の子の前で転んじゃったりした自分自身の甘酸っぱくて恥ずかしい記憶が蘇ったじゃまいか。
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